はじめに
ターミナル上で動くテキストブラウザであるw3mの使い方や設定のメモ。
なお、macOS上のHomebrewで入れた『w3m version w3m/0.5.3+git20180125』を想定します。
基本的な操作
w3mは『テキストブラウザ』であり、ターミナルで用います。
そのため、すべての操作をキーボードから行えます。
(マウスでもできなくはなかったはず…)。
ここには基本的なものだけを挙げます。
詳しくはH
して。恐ろしいくらいたくさんあるから…。
キー | 操作 |
---|---|
H |
ヘルプファイルを表示 |
o |
オプション設定パネルを表示 |
h ,C-b
|
カーソルを左へ移動 |
j ,C-n
|
カーソルを下へ移動 |
k ,C-p
|
カーソルを上へ移動 |
l ,C-f
|
カーソルを右へ移動 |
J |
画面を一行下へスクロール |
K |
画面を一行上へスクロール |
TAB |
次のリンクへ移動 |
Enter |
カーソル下のリンクを開く |
I |
カーソル下のリンクに対応した画像を表示 |
c |
文書のURLを表示 |
= |
文書の情報を表示(文字化けしたときに) |
U |
URLを指定して開く |
B |
ページを戻る(Back) |
/ |
ファイル末尾に向かって正規表現で検索 |
? |
ファイルの先頭に向かって正規表現で検索 |
n |
次を検索 |
N |
前を検索 |
q |
w3mを終了する(確認あり) |
Q |
w3mを終了する(確認なし) |
! |
シェルコマンドを実行(←神) |
ホームページ
ターミナルにw3m
とだけ入力すると、エラーが出ます。
というのも、引数としてURLを与える必要があるのです。
それだと面倒なので、~/.bashrc
や~/.zshrc
に
export WWW_HOME="http://example.com/"
というように記述しておきます。
ブックマーク
ESC a
でページをブックマークに保存することができます。
ブックマークは~/.w3m/bookmark.html
に保存されます。
ESC b
でブックマークファイルを開きます。
ターミナルでw3m -B
と入力すると、起動時、ブックマークファイルを読み込みます。
External browser
オプション設定パネルのExternal Program Settings
のExternal browser
を変更することでM
キーを押した際に開く外部Webブラウザを設定できます。
標準では、/usr/bin/firefox
とかいうよくわからないものでうまく動作しません。
open
に変更することで規定のWebブラウザで開かれるようになる気がしましたが、開けたり開けなかったりして、ちょっとわかりません…。
External Viewers
なぜかmacOSでは、I
で画像を表示してくれません。
そこで、外部ビューワを設定します。
-
o
でオプション設定パネルを開く - 『External Viewer Setup』を選択
- Enter押下
- 『Type』を
image/*
に、『Command』をmpv --loop=inf --fs=yes %s
にし、『Register』
これで、mpvで画像が表示されるようになります。
もちろん、mpvが必要。
!
神。GOD。
!
としたあと、入力欄にコマンドを入力すると、そのコマンドが実行されます。
(実行中はw3mを使えません)。
printenv | grep W3M
と入力すると、w3mに関する環境変数がわかります。
以下のように。
W3M_FILENAME=/
W3M_CURRENT_IMG=
W3M_SOURCEFILE=/Users/username/.w3m/w3mtmp5869-0.gz
W3M_URL=http://example.com/
W3M_CURRENT_LINK=
W3M_CURRENT_WORD=Example
W3M_TITLE=Example Domain
W3M_TYPE=text/html
W3M_CURRENT_LINE=1
W3M_CURRENT_FORM=
W3M_CURRENT_COLUMN=1
W3M_CHARSET=UTF-8
User-defined key bindings
独自のキーバインドを設定できます。
~/.w3m/keymap
にkeymap <key> <command>
というように書きます。<command>
は、ヘルプファイルの各説明文のカッコ内のもの。
以下のようにもできます。
keymap y EXEC_SHELL "echo $W3M_URL | pbcopy"
# 文書のURLをコピー
keymap p EXEC_SHELL "mpv $W3M_URL"
# mpvで再生(YouTubeのページなどで)
keymap D EXEC_SHELL "open \"dict://$W3M_CURRENT_WORD\""
# カーソルのある位置の言葉をmacOS標準の辞書で調べる
# 日本語は文字化けしてうまくいかないけどね
可能性は無限大!
おわりに
- 画像表示できない
- JavaScript動かない
- CSSほとんど無視する
など、時代遅れの過去の産物であるといわれても否定できません。
それでも!
- キーボードですべての操作を行える
- ターミナルで動く
- シェルスクリプトと連携できる
など、素晴らしい点も多々あり、役に立つことも多いです。
ただ気になるのが、『Last Update: 2013-04-26』。
やっぱり、開発、終わってるのか…。
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