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ハイパーカジュアルからみる「遊びの4要素」

投稿日:2018-12-07
最終更新:2018-12-13

はじめに

スマブラで忙しい中この記事を見ていただきありがとうございます。
この記事はAkatsuki Advent Calendar 2018の7日目の記事です。6日目は @harun さんの GASの勉強ログ(サイドバーであれこれしたい) でした。

この記事の概要

ここ1年くらい話題になっているハイパーカジュアルゲームについて、「遊びの4要素」の観点から、そのゲーム性を考察してみようと思います。
僕の解釈・主観が中心になるので、一般的に考えられているものとは異なる可能性があります。その時はご意見いただけると嬉しいです。

ハイパーカジュアルゲーム

あまり明確な定義があるわけでは無いと思いますが、シンプルな操作とゲーム性を持ち、1プレイのサイクルが非常に短く誰もが気軽に遊べるようにデザインされたゲームを指します。
『flappy bird』など、同様の性質を持つゲームは過去にもありましたが、2017年ごろからApp StoreやGoogle Play Storeのランキングで上位を占める様になり、今なお注目を浴びているゲームジャンルです。
興味深い点として、広告を打ってプレイヤーを集め、広告収入によって収益化している点です。そのため、ゲーム性も重要ですが、マーケティング戦略が売上に大きく影響します(そのため、ハイパーカジュアルについて調べると、マーケティング戦略の記事ばかりヒットします)。

遊びの4要素

ロジェ・カイヨワが著書『遊びと人間』の中で提唱した、遊びの持つ4つの要素のことです。簡単にまとめると以下のような要素を指します。(模倣はちょっと解釈が怪しいです。)

  • 競争(Agon)
    • 他者もしくは過去の自分の記録との競争
    • スポーツ等の競技性
  • 偶然(Alea)
    • 予測できないランダム性
    • ギャンブルやトランプゲーム等
  • 模倣(Mimicry)
    • ゲームのモチーフ設定
    • プレイヤーが遊びを経て演じるロール
  • めまい(Ilinx)
    • 不安定さやカオスが生む非日常性
    • 遊園地のアトラクション等

下記スライドのすべり台の例が非常にわかりやすいので、ぜひ見てみてください。
【Unity道場スペシャル 2017幕張】続 あそびのデザイン講座


具体例

それでは、一部の人気ゲームを取り上げて、「遊びの4要素」について考えてみます。4要素のうち、特筆すべき事項が無いものについては扱わないことにします。

Snake VS Block

リリース:2017年5月
プレイ動画:https://www.youtube.com/watch?v=YF8Prrx61F4

概要
道中に出てくるアイテムを集めて自機の体力を増やしつつ、障害となるブロックを体当たりで破壊していくゲームです。説明が下手だ。プレイ動画を見てみてください。
ハイパーカジュアルが脚光を浴び始めたきっかけの1つと言えるゲームだと思います。(久々に触ってみたらデフォルトがステージ制になっていてびっくりしました。)

遊びの4要素

  • 競争
    • 上手くアイテムを拾いつつ、常に先の安全を考えながら操作する必要があるので、プレイヤースキルを向上させて過去の自分のスコアを塗り替えていくことに面白さがあります。
    • 一方で、無敵モードになると一気にスコアを稼げるなど、スコアを一気に伸ばす気持ちよさも持ち合わせています。
  • 偶然
    • 上手く操作すれば必ず進めるようなアルゴリズムになっているのですが、配置の都合上、どうしても死にやすくなってしまうことがたまにあります。こういった、不可能では無いけれど運によって少しだけ簡単になったり難しくなったりするというのが、良いアクセントになっているように感じます。

Ball Blast

リリース:2018年5月
プレイ動画:https://www.youtube.com/watch?v=tmv8qjMsEoM

概要
跳ね回る球を避けつつ、自機から弾丸を発射して壊すゲームです。壊した時などに手に入るコインを使って自機を強くすることができ、どんどんスコアが上がっていく楽しみがあります。

遊びの4要素

  • 競争
    • 技術的な面よりは自機強化の影響が強いですが、過去の自分のスコアをどんどん更新できる面白さがあります。
  • めまい
    • 自機が強くなり、ステージが進むにつれて、画面中の球の数や、自機が発射する弾丸の数が増えるので、どんどん不安定で緊張感のあるプレイが楽しめます。

Ultra Sharp

リリース:2018年5月
プレイ動画:https://www.youtube.com/watch?v=5kCMltmYjQ4
(全部見ると解法が全部わかってしまうので上手いこと最初だけ見てください)

概要
直線を引いてブロックをカットし、同じ色のオブジェクトに当てたり台から落としたりと、条件を満たせればクリアとなる物理パズルです。

遊びの4要素

  • 競争
    • ステージ設計が神がかっていて、初見では全く解けそうになくても、ちょっとした閃きで綺麗にクリアできるようになっており、過去と比較したときのプレイヤーの成長をカタルシスとともに感じられる作りになっています。
  • 偶然
    • 前述の通りステージ設計のレベルの高さが群を抜いていて、わからないながらに切れそうな所を切ってみると、いい感じに解に近づけるような、「偶然を演出する」ことに秀でていると感じます。

Hole.io

リリース:2018年6月
プレイ動画:https://www.youtube.com/watch?v=bZ0fJNUSaqc

概要
地面に空いた穴を操作して、色々なオブジェクトを飲み込んでいくゲームです。飲み込めば飲み込むほど穴が大きくなり、より大きなものを飲み込めるようになります。他のプレイヤーよりも沢山スコアを稼げば勝てるのですが、他のプレイヤーそのものも飲み込むことができます。
hole.ioを中心に、Paper.ioやBumper.ioなど、Voodooの対戦型ゲームであるioシリーズがものすごい流行りました。

遊びの4要素

  • 競争
    • 相手はCPUですが、他者との直接的な競争が、これまでのハイパーカジュアルにはあまりなく、このゲームの面白さのコアになっています。

Happy Glass

リリース:2018年8月
プレイ動画:https://www.youtube.com/watch?v=W-p_wUW6AUo
(キズナアイさんの可愛らしい実況と一緒にどうぞ)

概要
線を引いて水の流れを誘導し、コップいっぱいに水を入れられればクリアとなるゲームです。

遊びの4要素

  • 偶然, めまい
    • 物理演算を用いている(特に、扱うものが流体である)以上、ステージ設計者の意図や、ユーザーの想定を超えた結果に繋がりやすく、その点で驚きと喜びを与えやすい作りになっています。
    • 「投げやりになって適当に線を引いたら奇跡的にクリアできた」なんてことも案外多く、良い意味で「マジかよ!」と思わせるゲームシステムだと思います。

The Noodle

リリース:2018年10月
リンク:https://itunes.apple.com/jp/app/the-noodle-%E3%83%8C%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%AB/id1423527464

概要
上から落ちてくる麺を、筒を動かしてキャッチするゲームです。他と比べると比較的知名度は低いのですが、個人的に好きすぎるので取り上げました。何より麺というモチーフによるシュールな画面が印象的です。

遊びの4要素

  • 模倣
    • 麺をキャッチするって一体どういうユーザー体験なのかもうよくわからないですが、センスが無ければ生み出せないシュールさが本当に特徴的だと思います。
  • めまい
    • 麺のぐにゃぐにゃした動きがプレイしていてなんとも気持ち悪く、想定通りに動いてくれないもどかしさと、それをコントロールできたときの気持ち良さが面白いです。

Stickman Hook

リリース:2018年10月
プレイ動画:https://www.youtube.com/watch?v=RUU5OM117X0
概要
ステージに点在する支柱にワイヤーを伸ばし、振り子の様な動きをしながら進んでゴールを目指すゲームです。

遊びの4要素

  • めまい
    • ワイヤーが一切たるまないこと、トランポリンの反発係数がとても高いことで、プレイヤーが想像する以上に激しく速度が変化します。その中で上手く速度を維持したままゴールできると、カオスをコントロール出来た感覚になり、強い爽快感が得られます。

Flip Rush!

リリース:2018年12月
プレイ動画:https://www.youtube.com/watch?v=yWSRPQhiADs

概要
自機の速度と空中での回転を操作して、いい感じにトリックを決めながら進んでいくゲームです。
もう説明がしんどいので動画を見てください。

遊びの4要素

  • めまい
    • 急なスピードアップや、空中での姿勢制御など、不安定な中で如何にコントロールできるかというゲームなので、その中で上手く操作ができた時の気持ち良さが楽しさの肝だと思います。

考察

以上、ここ1年半の間に話題になったハイパーカジュアルゲームのうち、ほんの一部分を取り上げて比較してみました。
今回取り上げたものだけを考察してみると、

  • ハイパーカジュアルは、そのシンプルさ故に「遊びの4要素」全てを十分に満たしているものはあまりなく、4つの内1,2つを尖らせたものが多い
  • Snake VS BlockやBall Blastなど、比較的初期のゲームは、「スキルアップによる成長の実感」や、「スコアがどんどんインフレしていく感覚」を楽しむゲームが多かったが、ある時期から.ioシリーズの様な「他プレイヤーとの勝負」を楽しむゲームが台頭し、最近は、「不安定性とそれをコントロールする爽快感(めまい)」を楽しむゲームが増えてきている

ように感じます。
その理由として、マーケティングについての知見がたまり、収益化しやすいゲームとして、

  • 操作が本当に簡単なゲームを目指し、物理演算を用いることが増えた
  • 広告を挟むため、1サイクルが短いゲーム(短いステージで区切る等)が増えた

などが要因ではないでしょうか。
とはいえ、ハイパーカジュアルは開発のサイクルの早さもあって、非常に短い期間で流行りのゲームシステムが変わっていきますし、今後ももっと盛り上がっていくジャンルだと思うので、すぐに別の傾向のゲームが増えてくると思います。どうなるか楽しみですね。

ここまでご覧いただきありがとうございました。皆さんもぜひスマブラハイパーカジュアルゲームをやりましょう!

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