やっぱりエンジニアは英語ができた方がいい

公開日:2019-07-16
最終更新:2019-07-17

「英語ができなくてもエンジニアやっていけますよ」とは主にソフトウェア開発者を目指す就職活動中の学生に対する勇気付けとしてよく聞くフレーズですが、実際にエンジニアをやっていると「やっぱりエンジニアは英語ができた方がいいよね」と思う機会が多くあります。

例えば僕は今Flutterを勉強中で、仕事としてもFlutterでアプリを2つほど開発中なのですが、そこで参照する情報は基本的に全て(特に公式情報は)英語です。

https://flutter.dev/docs

この記事ではエンジニアとして仕事をする際、英語ができないことで困るであろうこと、逆に英語ができることでできるようになること、最後に英語の勉強法について考えてみたいと思います。

英語ができないと困ること

一次情報が読めない

まず一番困るのは、情報が英語しかない分野について調べる際に理解度や効率が大きく落ちてしまうことです。特に新しい技術やオープンソースの技術ほど日本語のドキュメントというのは整備されない傾向にあるため、多くのソフトウェア開発者が積極的に収集したい情報はだいたい英語で提供されると考えて良いでしょう。

例としては、冒頭であげたFlutterがあります。同じGoogle社の製品にAndroidがありますが、こちらも日本語訳されているページは階層の浅い数ページのみで、大事な情報はほとんどが英語です。

https://developer.android.com/guide/topics/media/

最近の技術はドキュメントだけでなく初心者向けのチュートリアルも充実している場合が多いですので、これが読めないことはスタートダッシュで大きく差をつけられてしまうと言えるでしょう。

情報収取が遅れる

英語が読めないことで、ニュース系の情報収集も難しくなります。

例えば世界的に有名なHacker Newsは全て英語の記事がリストアップされ、記事へのコメントや議論も全て英語で行われます。

運良く同じ記事が日本語に翻訳されたとしても、翻訳者の理解度次第では誤訳や意訳によって本来その記事が伝えたかった内容とは違う情報を受け取ってしまう危険性もあります。(場合によってはPV稼ぎなどのくだらない理由で意図的に誤訳を入れられる場合もあるかもしれません)

例えば最近だと、以下のような誤訳の指摘がありました。

https://twitter.com/jishin_dema/status/1150988258798522368?s=20

また、Android Developers Blogなど、その技術の開発者が公式で発表するブログ記事はほとんどの場合全文訳が出ることはありません。あったとしても一部のキャッチーな部分をかいつまんだ紹介記事程度でしょう。

海外で生まれる正確な情報をリアルタイムで収集したい場合、やはり英語は必須のスキルとなります。

英語ができると嬉しいこと

一方、英語ができることで、上記の「困ること」が解決する点に加えて以下のようなメリットがあります。

動画コンテンツで学習できる

僕が最近ハマっている学習方法に、YoutubeやUdemyなどの動画コンテンツを利用したものがあります。

例えばFlutterには、Googleの開発者が約1時間ノーカットでアプリ開発の様子を放送するThe Boring Flutter Development Showという動画コンテンツがあります。このシリーズは実際のFlutterアプリ開発の考え方や公式ドキュメントの使い方、開発の進め方などをイメージする上でとても助けになる内容です。

このような動画コンテンツは技術ブログやドキュメントを読むのとは違って情報が耳から入ってくるため、例えば家事など何か手作業をしなければならない場面でも学習できるメリットがあります。

そして、そのような動画コンテンツは公式、一般問わず圧倒的に英語で作られる場合が多いため、英語が聞けるかどうかでそのメリットを受けられるかどうかが変わってきます。

特に結婚して子供が生まれ、自分の時間が大幅に減ってくる子育て世代としてはいかに学習時間を捻出するかが勝負になってくるため、このような「ながら」でできる学習方法はとても重要なスキルアップの手段となります。

働き方を選べる

ソフトウェア開発者は世界中で共通の技術を使って仕事をしています。そして、そこでの共通語は当然英語です。

つまり、英語に対する苦手意識がなければ、日本の労働環境や開発環境に不満がある場合に「海外で働く」を比較的カジュアルに選択肢のひとつに加えることができます。(もちろん海外で働くことを決意した後、スムーズに仕事ができるだけのさらなる英語学習は必要ですが)

当然海外で働くこと自体に対するメリット・デメリットは言語以外の点でもたくさんありますが、それらを検討し始める大前提になるのが言語的な問題なのではないかと思います。

所得税が高いから、ITリテラシが低いから、商習慣に納得ができないから、など、ソフトウェア開発をしていると日本を出なければ解決できない問題というのも少なくありません。

そんなときに解決策のひとつとして「日本を出る」という手を持っていることで、精神的にも随分楽になるのではないかと思います。

ひとつの技術に対する深い議論と理解が得られる

これは完全な偏見なのですが、英語でやりとりをしている世界のソフトウェア開発者は、日本人に比べて深い議論をブログ記事やそのコメント欄でしている印象です。

たとえば開発中の問題ひとつをとっても、Qiitaなどに上がる情報は「どうやったら解決するか」に止まるものが多いのに比べ、dev.toやStackoverflowなどの海外サービスやGitHubのIssueなどでは「なぜそのような問題が発生するのか」についても言及し、その結果として「どうやったら解決するか」が結論づけられる構成が多いように思います。

「どうやったら解決するか」だけを求めてしまうと、似たような問題や根本原因が同じ別の問題が発生したときにまたゼロから対処しなければなりません。

一方で「なぜそのような問題が発生するのか」にも踏み込んで議論することで、その技術の特性を理解し、それを活かして設計・開発する力も養うことができるでしょう。

たとえ僕の偏見が単なる勘違いだったとしても、海外の声も含めてより多くの意見や議論を取り入れることは結果としてプラスになるはずです。

英語の勉強方法

一応項目として書こうとは思ったものの、実際の効果的な英語の勉強方法というのはよく分かりません、、、(すみません)

僕の場合は、大学時代に1年間留学し、その間ほとんど日本人と会わなかったことで強制的に英語でコミュニケーションをとったり学んだりしなければならなかった、という環境的な要因が大きいと考えています。

しかし、一度社会人になってしまうとポンと1年間留学するなんて選択肢は経済的にも時間的にもなかなかとれるものではありません。

そこで考えているのが以下の2点です。

ソフトウェア開発者の英語は難しくないことを知る

そもそも考えてみると、英語で会話する人の中で、英語を母語として話す(つまりネイティブである)人というのはたった2, 3割だと言われています。

つまり残りの7, 8割の人たちは英語を「後から勉強して」話しています。そしてこれはソフトウェア開発の世界でも同じです。

そのような状況だと、世界中の開発者に読んで理解して使ってもらわなければならない公式ドキュメントや公式動画は基本的にカンタンな文章で書かれていることが多いです。もし難しいと感じても、それは英語が難しいのではなく技術的な理解度の問題であることが多い印象です。

また同じような言い回しが使われることも多いため、ある程度慣れてきたら同じように様々な技術のドキュメントを読むことが可能になります。

「英語ができる」と言ってもネイティブとペラペラ会話をしたり字幕なしで洋画を観ることを求められている訳ではないことを理解するだけで、圧倒的に気分が楽になるのではないでしょうか。

「やりたいこと」と同じことをして練習する

持論ですが、「英語を勉強する」と言われた時に、市販の単語帳を買ってきたり英会話教室に通ったりするのは効率が悪いと考えています。なぜなら、上にも書いた通りソフトウェア開発者として求められられる英語というのはネイティブと会話したり字幕なしで映画を観たりすることではない(場合が多い)からです。

英語のドキュメントが読みたければ英語のドキュメントを読んでみる、英語の動画コンテンツで学習したければ英語の動画コンテンツを視聴してみる、など、できるようになりたいことをそのままやって勉強するのが手っ取り早いのではないかと思います。

その上で、わからない単語やフレーズが出てきたら調べながら読めば良いですし、場合によっては全文まるまるGoogle翻訳にかけてざっと流れを確認してから改めて英語で読み始めても良いかもしれません。

動画コンテンツも、わからなければ何度もシークバーを戻して聞き直せば良いだけです。

何度も繰り返し調べたり聞いたりすることで、英語が理解できるだけでなくその技術そのものの理解も進んでいるというオマケが付いてきます。英語が使えるようになった先に技術の理解も待っていることを考えると、両方同時に学べる手法というのはとても効率的と言えるでしょう。

(追記)
英語の勉強方法について、@tafutada さんがかなり詳しく記事を書いてくださっていました!

リスニング、英会話を向上させる最短ルート - Qiita

関連する記事も含めて英語学習の役に立つ内容でしたので、併せて読んでみてください。
(/追記)

まとめ

総じて、どんな形であれ一次情報や詳しい議論が英語で提供されることの多いソフトウェア開発界隈では、「新しい技術を取り入れ深い考察もできるエンジニア」になれるか「コピペエンジニア」になるかの入り口に「英語で情報収集できるかどうか」がある気がしています。

新しい技術の情報を日本語で探そうと思うと、どうしても公式発信でない、誰かのブログ記事や翻訳記事しか発見できず、またそこにつくコメントも表面的なものが多い(ような気がする)ためです。

ただし注意したいのは、ここで求められる英語のレベルは(繰り返しですが)ネイティブと対等に話すことでもなく字幕無しで映画を観ることでもなく、あくまで英語のリソースから情報を収集できることです。

そのためわからない単語やフレーズがあればゆっくりと辞書を引けば良いですし、Google翻訳などの自動翻訳サービスを使っても良いですし、場合によっては日本語で書かれた記事などを補足や事前理解のために読んでおくのも良いでしょう。

「ググったら英語のページがヒットしたからそっ閉じ」ではなく、英語で提供される記事や動画も有効活用できるようになる程度には「英語ができた方がいい」というのは例え相手が就活中の学生であってもはっきりと伝えていきたいところです。

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フリーランスのソフトウェア開発者が開発中に考えたことや気づいたことなど

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2件のコメント

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07/17 09:04

ですね。日本人は英語ができなくてもOKといってるのはおっさん世代ぐらいで、今は東南アジア、中国のキッズも英語をもう勉強してますね。英語は自動車やスマフォと同じでなくても全然生きていけるが、あれば他者を圧倒できる。自分の能力をブーストさせるツールなのですね。もちろん、能力がゼロだと何倍してもゼロですが。 よかったら私の記事も笑 https://qiita.com/tfutada/items/91d727ef435c18fb8dba

07/17 10:26

@tafutada

なくても全然生きていけるが、あれば他者を圧倒できる

まさにそれですね。生きていけばいいだけなら覚える必要はありませんが、もっと良い開発を、もっと良い人生を、と思ったら必須のスキルと言っても大げさではないかと思います。

Qiitaの記事、追記させていただきました!

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